全国的に寒波に見舞われるなか、帝劇ロビーは華やかににぎわっていました。 劇場は現実とは別世界です。
今年はかつて見たことのない「堂本光一」でした。 スポーツ誌でバッキバキと書かれていましたが、鍛え上げられた筋肉が目をひきました。上腕二頭筋、上腕三頭筋、腹直筋、大胸筋など、遠目でもはっきり識別できるほどでした。それなのに、服を着ていると例年通りスマートです。
公園ではスカイブルーの制服姿のCA2人がキャスターをひいて出てきてヤラの指輪騒動に一役買います。 ピンクのかつらの長身の女性が颯爽と登場し、なんてスタイルがいいんだろう、新しいキャストかしらと思っていたら女装したカイルさんでした。その後ピンクのかつらはマツがつけました。 ナオキのドラムに合わせて公園の皆がダンスセッションのように踊り出すのですが、ナオキが皆の注目を浴びていること、皆が共感していることが分かる場面になりました。コウイチが「アイツをショーの仲間に入れよう」と言い出しますが、飛躍がなく自然な流れに感じられるようになりました。 楽しいはずの休演日なのに、ヤラとコウイチの関係が軋み始めます。修復できないままブロードウェイに突入するのですが、ビバリオーナーから「こうして、半年間稽古を重ねて皆はブロードウェイに立った」と解説が入ります。次の場面はブロードウェイでのショーだということが分かりやすくなりました。
Jungleではリカをめぐるヤラとコウイチの関係が明確にダンスで表現されています。SORITARYのヤラの出トチリ、コウイチのカバーも分かりやすく、その後のMissing Heartに続く2人の対立が理解しやすくなっています。 楽屋のおばちゃんはインドからで「ナマハゲ?」「ナマステ」と言い間違えかどうか、挨拶を2回しました。 殺陣では八艘跳びから敵味方別れて一騎打ちに進みます。軍艦台はなく、剣と弓の軍旗をくぐってヤラ、コウイチがそれぞれ登場します。ターザン、花火はなくなりました。天井からの白色光の雨、竹林をバックに立ち回る。舞台サイドで直さん、日野さんが太鼓を叩く。息を飲む緊迫したシーンです。歌舞伎の隈取りの階段が動かず、奥の光で数秒間演者が逆光になりました。そういう演出になったのか、アクシデントだったのかわかりません。コウイチの腿、胸を踏み台にしてヤラがコウイチの肩に乗り上げます。階段上でコウイチは満身創痍の体を折り曲げて、階段に突き刺した真剣を「抜け~」とヤラに迫り、「続けろ~」と挑発します。鬼気迫る心情が頂点に達し、結果とんでもない悲劇を巻き起こします。
2幕で登場の明るいコウイチが一幕最後の悲劇をより悲惨に感じさせます。 シェイクスピアから夢幻、夜の海、CONTINUEに至るまでは目で見る限り殆ど変更はなかったように見えましたが、耳で聴く歌は昨年までとは違いました。 フィナーレCONTINUEは物語の芯を貫くONE DAYと重唱されます。腹の底に響きました。 Missing HeartやYes, My Dreamも混ざり、「あの時一緒に歌ったよね」と思い出されます。今となっては懐かしさが蘇るNew York DreamやNEW HORIZNもコウイチ、ヤラ、リカ、ビバリさん他皆で重ねて歌われるので感慨深く、「これで物語が終わるのね」と寂しい気持ちなりました。
トラビスさんが観劇されていて、光一さんが「重要なシーンの振りつけをしていただいた」とお礼を述べていました。 |
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