2階席からの観劇です。階段状に座席があるので、前の方の頭が舞台に掛かり難く(前のめりになられるとアウトですが)、見晴らしがよくて舞台全体が見渡せてノンストレスで、とても楽しむことが出来ました。 また光ちゃんの頭の上が見えるので、光ちゃんの髪の毛がつやつやで天使の輪が見え、そこが輝いて見えます。顔も綺麗なのですが、髪の毛も綺麗でした。
選ばれし方達の豊かな才能の全放出で、切磋琢磨し、磨かれた作品が完成形かと私には見えるのですが。 それでも進化させようとする舞台は、本当にどこまで上り詰めるのかと、目が離せませんね。
光一さんはよく声が出ています。発声方法がミュージカル調になったというか、喉に負担がなく声が出せているので、余裕があり、セリフが聞きやすくなりました。 芳雄さんの響き渡る高音の歌でも明瞭にセリフが聞き取れるのは凄いことですが、光ちゃんも負けていませんね。よく声が響き渡るようになりました。 乾杯の歌など、低音でどすを利かせて歌うというのか、力強くがなるというのか、そこもとってもカッコいいです。 それで、二人でハモる時には、きれいに溶け合って一つの声になるのが素敵です。 やはり人間性同様に相性がいいのでしょう。奇跡の出会いです。
光ちゃんの声の張りも艶もよく快活にしゃべり、ダンスのリハーサルシーンではコミカルに演じるのは、アーサイトの性格付けというかキャラが確立してきたからなんでしょうか。 ジェラルドに呼ばれダンスをお披露目する前に、アーサイトは「田舎者です。」と自己紹介しながら、スカートのゴムを胸の位置まで引き上げます。(笑)そしてお腹をポンポンと叩きます。 帝劇の最初の頃の観劇にはこんなシーンはありませんでした。 親に注意されているのに、パンツのゴムを引き上げる幼児のようで、めちゃくちゃ可愛い光ちゃんでした。 日々進化しているのですね。 「真夏の世の夢」だと思うのですが、妖精が惚れ薬(目薬)を使って惚れさせるのですが、このシーンのアーサイトはそういう惚れ薬を使ったか?と思うほど、エミーリアにアプローチをし続けます。 エミーリアも乗り気で、お互いぞっこんな様子が可愛く感じとれ、とてもコミカルではあるけれどこの演目の中で、一番楽しいシーンになりました。 それが対象的に悲劇的なフィラビーナの恋と対比して、せつないダンスシーンと正反対のシーンとなっています。
ちょっと理屈っぽくて、深く考えてから行動するパラモンは、アーサイトに先手先手を取られてしまうが、それでも優しいパラモンで、アーサイトと気が合う。 それぞれの人物像を描き、その人物として1公演を生きる、作業は大変でしょうが、皆さん楽しく演じられ、その役を生きておられるようです。 本当に素晴らしいお仕事だと感じ入ります。
ベテランの島田歌穂さんが、当然ですがこのベテランにして手抜きや慣れという言葉はなく、いつも真剣勝負しておられます。 毎回全力の熱演で挑まれます、気持ちがいいです。 大逆転を生む結論を導びき出してくれます。 そんな島田さんを筆頭にして岸さん、大澄さん、皆さんのチームワークの良さが伝わります。
シェークスピアという時代物に由来しながら、多様性のある人間模様等に、現在に通じる問題を提起した素敵な物語になりましたね。 最後にみんなが幸せになれる解決法へと導きだされ、痛快です。
最後の挨拶で、 パラモン、今日は東宝の偉い人が美味しい釜めしの弁当を差し入れてくれ、これで終わりかと思うともっとあるんだよ、と。 アーサイトは、まだ食べていないようで、その話、いる? パラモン いるいる。それを踏まえて、規制退場となります。 アーサイト、ご協力いただけない場合は、クリオンの呪いにのろわれてしまえ。 パラモン、代償が大きいですね。 で、捌けていき、抱き合って行きました。 私たちは帰省退場となりました。 |
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